千葉の豪雨。東京のすぐ隣で、あんなにひどい豪雨災害があるのが、何となく信じられないくらい、大きな災害でした。天災は容赦なく襲いかかり、被災者も恨みの持ってゆきどころがなく、天を仰ぐしかない。天から見たら、人間社会なんて儚いものだと思わされます。
2050年には群馬県での43℃をはじめ、全国157カ所で40℃以上の酷暑日が観測され、11時から15時には外出禁止令が出され、台風の規模は880hPaまで巨大化する。食糧不足でトンカツが食べられなくなる。そんな予報が報じられました。真偽はともかくとして、昨今の気候変動を見ていると、決して絵空事とは思えませんね。
子供たちの未来はどうなってしまうのかと、本当にかわいそうになります。
「産めよ、増やせよ、地に満ちよ」(創世記)という神の言葉の意味を、改めて考えることが求められているように感じます。
お世話になった上司が市川に住んでおられるので、お見舞いのご連絡を差し上げました。幸いにお宅には被害がなかったようですが、その時に「新蕎麦の季節になったら、神田のまつやで一杯やりましょう」と嬉しいお誘いをいただきました。
私は蕎麦が好きなのだなぁと思います。
神田の「まつや」で香りのよい新蕎麦を食べながら菊正宗のお燗を一杯やっていることを想像しただけで、唾液腺が緩んでくるのです。
日本にはうどん文化と蕎麦文化があって、好みがわかれます。
「麺は何でも好きだけど、一番はうどんだな」という人と「絶対、蕎麦が好き」という風に、皆さんそれぞれに好みがあって面白い。でも、蕎麦好きはちょっと頑固なイメージがありますね。
私の場合は蕎麦。
蕎麦の香りと、すすり込んだ時の喉越し、ピリッと効いた山葵の風味と店によって独特の汁の風味。不味い蕎麦や汁はいただけませんが、たいていは我慢の許容範囲。仕上げの蕎麦湯までしっかりと味わってから「ごちそうさま」と手を合わすところまで、短時間でも充実感に溢れた時間を過ごします。
そして何より、蕎麦はお酒によく合うんだ、これが。
板わさや山葵漬けをつまみながら飲む酒もおいしいし、蕎麦がきをつまみながら飲む酒もおいしい。蕎麦と汁と山葵の風味が、いわゆるオーセンティックな日本酒の風味に素晴らしく合います。
蕎麦の産地である東北や信越地方に行く機会があると、ちょっとワクワクします。そして各地で蕎麦を味わうと、それぞれの地方性が感じられてとても楽しいのです。
海藻を練り込んだ少し緑色をした蕎麦が細長い「へぎ」の上に一口大に美しく盛り付けられた名物のへぎそばは、山葵でなく辛子で食べたりするのです。
長野では胡桃だれの蕎麦が美味しいし、木曽のすんき蕎麦にも目からうろこが落ちました。
概して田舎の蕎麦は盛りが多くて嬉しいです。特に上田の蕎麦はすごい大盛りでした。
山形でタケダワイナリーさんに連れて行っていただいた山の中の古民家のような蕎麦屋で食べた田舎蕎麦も、量と味ともに強い印象が残っています。
最近、長野の伊那に初めて行く機会があり、地元の高遠そばを食べてきました。
伊那駅から車で20分くらいのところにある高遠の、独特な食べ方のお蕎麦です。蕎麦自体が美味しいのはもちろんのことなのですが、その大きな特徴はつけだれです。この地方では、蕎麦汁の代わりに辛味大根の汁に味噌をとき入れてつけだれにするのです。
高遠には伝統的な味噌づくりが根付いていることも関係しているのでしょう。思った以上に旨味のあるタレで、お蕎麦にも良く合います。
東京でほとんど知られていないのがもったいないと思える、美味しい蕎麦体験でした。
この高遠蕎麦とお酒の組み合わせを名物にして観光客をたくさん誘致したらよいのになぁと、想像が膨らんだ一日になりました。
